研ぎ・修理・メンテナンス

このようなこと、ありませんか?

□ 研ぎから戻ったハサミが、最初はよく切れるが切れが長く続かない。
□ 3~4ヶ月に一度、研ぎメンテナンスに出している。
□ セニングの「切れ」「ヌケ」が良くない。
□ 刃先の切れが弱く、髪が逃げやすい。
□ チョップカットの際、毛先が傷んでいる。
□ セニングを使うと髪のパサつき感が気になる。

その原因「研ぎ」と「ハサミ」を分けて考える必要があります。

「研ぎ」について

研磨(研ぎ)技術者は、研ぎを行う際に様々な要素を見極める必要があります。
基本的なことには下記が挙げられます。

  • 刃線(直刃・R 曲線刃・笹刃)
  • 刃の状態(傷/ 欠け/ 傷み/ 返り刃/ 裏刃幅/ 裏すき/ 錆/ など)
  • 材質(コバルト・パウダーハイス・ステライト・ステンレス・など)
  • ハサミの用途(ブラント・チョップ・スライド・ストローク・WET・DRY・エフェラージュ・など)
  • 刃のバランス(ゆがみ・ソリ・カミ合わせ・調子・など)
  • 刃先の状態(丸み・尖り・潰れ・など)

技術者が刃を研ぐにあたり、ハサミの状態が良い場合は刃線を変えること無く刃を研ぐことが出来ますのでハサミ本来の切れとなります。
一方、落下や衝撃による刃の欠けや、押し切りによる刃傷み、他社研磨による刃線バランスの歪みなどがハサミに有る場合には、本来の刃線に戻すことが難しくなることが有ります。

一般的に、刃を鋭く(鋭角で)研がれたシザーは、カミソリのように、最初の切れはとても良いですが切れの衰えが早くなります。
逆に、刃を丸く(鈍角で)研がれたシザーは、切れが重くなったり、切れずに髪が逃げるようになります。

どのような角度で刃を研ぐ必要が有るかは、刃鋼材の質・刃のバランス(ヒネリやソリ)によっても異なります。
このような様々な条件、要素を把握した上で、初めて正しく研磨(研ぎ)が出来ると言えます。
ハサミに対する正しい知識と、研ぎに対する経験と優れたスキルとセンスが研磨(研ぎ)技術者には求められます。

「ハサミ」について

  1. ハサミの材質に柔らかい鋼材が用いられていると、切れの衰え方は早くなります。
  2. 刃のカミ合わせバランス(ヒネリ、ソリ)の精度が低いシザーの場合、刃先のもちが悪くなったり、セニングの「切れ」「ヌケ」が悪くなりやすいです。
  3. ネジが緩み過ぎていると、刃のカミ合わせが弱くなり、切る力が弱くなります。
  4. カット法や用途が合わないハサミを使用している場合、カットにストレスを感じてしまいます。
  5. 落下によって刃のバランスが崩れ、「切れ」が悪くなったり衰えたりします。
    特にセニングの櫛刃にダメージが生じると髪がひっかかるようになります。

「ハサミ」を永く使い続けるために覚えておきたいこと

  1. 刃の「質」は、「つくり」と「材質」によって決まります。
    「つくり」と「材質」の優れたハサミは、長く切れるので「研ぎ」の必要も少なくなります。
  2. 日々の取扱いメンテナンスが良いと、刃の傷みが少なくなるので、「研ぎ」を最小限に抑えることになります。
    >メンテナンスについてはこちらをご覧ください
  3. カット人数が多い、メンズカットが多い、ハサミの使い分けをしないドライカットが多い、ローテーション使用をしない、等の場合は、 刃の消耗が早まり、「研ぎ」が多く必要となります。
  4. ブラントカット用シザーと異なり、スライド・ストロークカットに使用されるハサミは、使い慣らした刃が、使い易いと好まれることがあります。
  5. 「刃を鋭がらせるだけの簡単な研ぎ」を重ねると、刃の力が低下し、「切れ」の衰えが早くなります。

落下したハサミや研磨を多く重ねたハサミに対しては、刃の力を取り戻すため通常の研ぎ作業の他に、バランス調整作業(タタキ)が行なわれます。
このバランス調整作業(タタキ)は、「研ぎ」作業に比べ、職人の豊富な経験と技量センスを必要とします。
トラックスシザーズでは、通常の「研ぎ」においても、お預かりしたハサミのコンディションを見て調整が必要な場合には、バランス調整(タタキ)を行なっています。

注:他社シザーの場合、鋼材の質や刃の精度が不明ですので、タタキの際に刃を折る可能性がある為、「タタキ」を行うことができません。

▶ 研磨基本料金

トラックスシザーズ(右手用) トラックスシザーズ(左手用) ¥3,000(税抜) ¥4,000(税抜)

▶ 日数

お預かりから2~3週間程度にて返却となります

▶ お預かり方法

郵送または特定エリア内当社スタッフ直接集配
往復送料が必要となる場合はお客様のご負担にてお願いします。
※エリアによって異なりますので詳しくはお問い合わせ下さい

▶ 他社製品

「研ぎ・修理」は、購入したメーカーへ依頼されることをおすすめします。お困りの場合は、御相談下さい。
(製品の性質上、タタキ調整は行いません)

他社製品(右手用) 他社製品(左手用) ¥3,500(税抜) ¥4,500(税抜)

▶ 決済方法

代金引換(研ぎ・修理に関しましてはクレジット決済不可となります)

▶ 注意事項

▶ 注意事項

研ぎ・修理にお出しになる際、以下の物を御準備下さい。

メンテナンスについて

新しいハサミ・修理後のハサミ

切れ味、永切れ、調子の持続性を生み出す為に最も重要となります。使い始めの際は、お取り扱いに十分ご注意下さい。

使い始めとして、極力硬い毛髪は避けてウェットの状態かドライならば柔らかい毛髪を最低3~5 人程度を目安に、ブラントカットによる慣らし切りをおすすめします。

毎日のメンテナンス

1) セーム革(付属品)を用いて、刃のカエリ、毛くず等を拭き取ります。

定期メンテナンス

1. 毛くずを取り除き、セーム革で刃を拭く。【毎日】

シザーを開閉し、ネジ部にたまった毛くずを乾いた布・ティッシュ取り除く。
セーム革を用いて返り刃を取り除き、切れ味を戻すと共に、刃の傷みを予防します。

2. オイルを注す【3週間に1度】

ネジ及び触点にオイルを注すことでハサミの開閉が軽くなります。

3. ネジの調整

ネジがゆるむと切れなくなります。
ネジが緩んだ状態でハサミを使用すると、刃を傷めることになります。
ネジが緩んだ場合、締め直してください。
締めすぎますと、ハサミの開閉がキツくなりますので締め過ぎに注意して調整します。

▶ メンテナンスキットもご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

>詳しくはこちらをご覧ください